土手の一本道に
見慣れない屋台がでている
小麦粉のふんわり焼けたにおいに
おもわず近づいていくと
ずらっと並んだたこ焼きを
手際よくパックにつめる店主…えっ、カエル!?
しかも、立っている
きゅっとしめたねじり鉢巻きと
前掛けのこなれ感
うちのぬるっとソースはちぃとうまいよ
甲高い声が、背後から聞こえてきたような
不思議な浮遊感を覚えながら、おそるおそる「ぬるっと」をオーダーする
パックをきっちり押さえた4本指の吸盤が
どんどん近づいてきて、一瞬で消えた鮮烈すぎる残像
手渡されたたこ焼きの割りばしの袋には
たこ焼きエキスパートの店ケロケロと書かれてある