地下鉄の冷房は、効きがいい。
二駅すぎて、ようやく汗が落ちついてきた。
到着を告げるアナウンスで、はっと我に返る。
あわてて見た表示は…降りる1つ手前の駅名。ぎりセーフだ。
浮かしかけた腰をおろす。
ふと、ひときわ長身の男が、目に飛びこんできた。
ブロンドの襟足からつづく涼しげなうなじ、そして金色のうぶげ。
降りていくその後ろ姿を、
なんの気なしに見やっていると、
紺色のTシャツのバックデザインに目がいった。
THANK YOU is the goal.
Stockholm Marathon 2016
ありがとうが、ゴール。