彼らは、のぞみに乗りながら
通過駅の駅名をはっきりと認識できる
正確にいうと新幹線には乗車していない
彼らは、またがっている
革のスーツとヘルメットのみで
風圧にGに雨に暑さに、その身ひとつでさらされている
時速300キロ超をコントロールしながら
0.1秒も体感する彼らは、果たして人間なのだろうか?
人間の閾値に住む人間たち
その命をかけた限界の集中力に
ただぼうぜんと立ち尽くしながらも
目撃せずにはいられない
体感せずにはいられない
彼らの挑戦を
人間の限界への挑戦を