パサッ
カサカサカサ
パサパサ
シャシャー
電気を消した途端
妙な音が聞こえだした
不規則なカサカサ音
なにかが動いている
この部屋になにかが、いる
山奥の秘湯旅館
布団のなかでボクはじっと耳を澄ます
眠れるわけない
なに?なんの音?
からだが固まって
電気のスイッチまでもたどりつけない
ムリ
こういうの絶対ムリ
ひとまずここは深呼吸でしょうと
ゆっくり息を吐いてみる
と、あるイメージが浮かんできた
地味なチョウチョみたいな虫
あ~、窓を開けたとき入ってきて
そういや、壁にひっついてたやつか
と気づいた瞬間、すとんと落ちました
深い眠りの谷に