眼の奥がほどけて、後頭部がじーんとしている。
顔の筋肉のゆるみっぷりが、なんともいい気持ち。
きょうは、むりに口角を上げることも、
目を大きくみせようとむだに見開くがんばりも、
ぜんぜんなし。
ただ川の流れを見ている。
いつもの通勤電車の終点まできた。
はじめて降りる駅のコンビニで、
レモンチューハイ、チーズ、ポテトチップスを買う。
カロリー気にせず、早々にポテチ完食。
チューハイも二缶、あおるように飲んでやった。
いつになく胸がひろいし、おなかの中心がゆるゆるしている。
ただぼんやり、ゆらゆらに身をまかせていると、
なにやら、あたたかいものがあふれてきた。
あとから、あとから。とめどなく。
恋がしたかったんだよぉ。
自分の声がそういっている。
そう、恋がしたかったんだ、あたし。
あたしは、恋がしたかった。
その気持ちの勢いが、
いつまでもこみあげてきて、やまない。